元大学教官という著者が若者に対して『働く』ことについて語った本である。
基本的な考え方は以下の通り。
・仕事なんて、そんなたいしたものじゃない。
・権力は幻想である。
こうした意見を見ると、養老さんと似ている気がする。
大学の教官ということもあり、世俗から離れ、真に自由な思考ができるのだろう。もちろん、それを可能にする己の財力や地力が伴っているからだけど。
さて、私は中でも次に言葉に感動した。『人間の価値はどこで決まるか。それは、自分の中でどこまで納得した生き方ができるのか、である。自分で自分をどこまで幸せにできるか。』
これは相当に深いことを言っている。つまり、学歴や仕事先、配偶者などはその人の価値とは本来無関係なのだ。なぜなら、それに価値があると思い込むのもまたその人だからである。自分で問いを立てて、それに回答している。とすれば、自分の中で自分を幸せにする方法は、考え方によるものだとわかる。
人は環境に影響を受ける。勉強ができることが偉い、と語る親元で暮らしていたら、子供もそういう思考をするのだろう。しかしそれはあるラインを超えると単なる思い込みでしかない。運動ができる、おしゃれである、女にもてる。すべては、いろいろな状態があるだけの話であり、それに価値をつけるのもまた人である。とすれば、自分で自分を評価することができるのが、大人である、と言えそうだ。
俺はまだ若い。柔軟な思考が自然とできるレベルにある。しかしながら、ここまで来るのに結構な時間を要してしまった。また、これから年を取る中で柔軟な思考ができなくなる恐れがある。こうした恐れを抱いてこそ、常に柔軟な思考ができ、自分で自分を評することのできる大人になれるのだ、と思うのだ。
最後に、著者に言葉の中で1番感動したものをひとつ。
本当に楽しいものは、人に話す必要なんかない。
0 件のコメント:
コメントを投稿